もしも任侠映画とキリスト教を混ぜたら…
キリスト教の歴史をヤクザ組織に例えた「仁義なきキリスト教史」は、キリスト教ファン必読の一冊です。
2014年まで、毎年お盆の(あまりメルマガが読まれてなさそうな)時期に「バカバカしい本の紹介」というのをやっておりました。
2015・2016年はそもそも8月にメルマガを出さないという体たらくで中断しましたが、今年は久々にやります。
※お盆企画「あやしい投資話に乗ってみた」本を買って読んでみた
※もしも源頼朝がツンデレでガラの悪いゴロツキの親分だったら?
※セクシィ古文!(田中圭一&田中貴子・メディアファクトリー)
「おやっさん...おやっさん...なんでワシを見捨てたんじゃあ!」
これだけ書き出したら、まるっきり親分に裏切られたヤクザの鉄砲玉の叫びですが、この叫び主は...。
元・ユダヤ組系ヨハネ組の若い衆が、親分の死後に新しい組を作ったものの、ほかの組に憎まれ死刑にされた男の最期の言葉です。
...それでは、ぜんぜん説明になってないよ。
では分かりやすい答え:イエス・キリスト
先日読んだ「仁義なきキリスト教史」という本の冒頭の掴みがこれだったのです。
タイトルから見当が付くかもしれませんが、キリスト教の歴史を「仁義なき戦い」に混ぜてしまったとんでもない本です。
ユダヤ・キリスト教だけでなく、他の宗教もぜんぶヤクザ組織になっていて、ローマ帝国のくだりでは
偉大な古代ローマヤクザ
などという、ニューロンが焼き切れそうなパワーワードも出てきます。
頭を抱えるのは「仁義なき戦い」ノリが、実際にキリスト教史に出てくる人たち
- イエス
- 十二使徒
- パウロ
- ルター
あたりが(話を面白くするための脚色はあれど)ヤクザのノリが似合うこと。
- 組織内の内輪もめ
- よその組との抗争
- 裏切りと復讐
- 威勢の良い啖呵
- 敵との言葉と暴力の応酬
- 上の思惑に振り回される下っ端
筆者があとがきで書くところによると、広島県福山市の出身で広島弁と福山弁がゴッチャになっている箇所があるかも。
...関西人にはそんなの分かりません。
複数の解釈がある場合は「一番話が面白くなる説」を取っていることも、各章末で親切に説明してくれています。
なので、ヤクザものが好きな人は読んでみてもいいかもしれません。
...この記事を書くために調べたら、文庫版がでてて、しかも「モーゼ若頭」や「伝説のヤハウェ大親分」のエピソードが追記!
あああ、こっちを買えば良かった。グスン。