なぜ『なぜ○○なのか?』というタイトルが多いのか?
興味深いなぜ"シリーズの本をご紹介。本当に環境問題はウソがまかり通っているのか、さぁ、一緒に考えてみませんか?"
…なぜでしょうね? とりあえず、アマゾンでいくつかそういうタイトルの本を探してみました。
- 環境問題はなぜウソがまかり通るのか
- さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
- 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?
- なぜ社員はやる気をなくしているのか
- お金持ちにはなぜ、お金が集まるのか
- なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?
- 若者はなぜ3年で辞めるのか?
「なぜ」で検索すると4,075件も出てきましたので、全部を挙げていくのは無理です。ご了承ください。
たとえば、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」と書かれると、このタイトルを読んだ人の頭の中では、
「そうか、環境問題はウソがまかり通ってるのか。でも何でなんだろうか?」
という風に話が進んでいきがちです。
つまり、
1.質問されると答えを出したくなってしまう人間の本性に訴えかけて、タイトルを印象深くしている。
こういう効果が期待できます。要は先日このメルマガで紹介した「クイズ」と同じようなものです。
しかし、それなら別に「○○な××は何でしょう?」や「○○が××なのはホント?」とかいう質問でも良さそうなものですが、本屋で見かける売れ筋の本は圧倒的に「なぜ○○は××なのか?」というタイトルです。
なぜか?
上で書いたことをもう一度読み返してください。
たとえば、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」と書かれると、このタイトルを読んだ人の頭の中では、
「そうか、環境問題はウソがまかり通ってるのか。でも何でなんだろうか?」
という風に話が進んでいきがちです。
と書きました。キモはここ(↓)です。
「そうか、環境問題はウソがまかり通ってるのか。
つまり、
「環境問題にウソがまかり通っているのかどうか?」
という前提を疑う段階をすっ飛ばしているのです。
これが単に
「環境問題にはウソがまかり通っている!」
と言うだけだったら、
「ホントかよ?」
と疑われてしまいますが、
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか?」
と質問されると
「え、何でだろう?」
となってしまうのが奇妙な意識の仕組みであります。
そして、得てしてこういうやり方は「ホントかどうかが疑わしい議題をすっと受け入れさせる」ために使われる事が多いようです。
何しろ、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」という本自体にウソがまかり通ってるんですから。
「なぜ●●は××なのか?」というキャッチフレーズは、効果的ではありますが、人を騙したり煽動したりすることにも使えてしまう危険さもあります。くれぐれもご用心を。