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地元密着で商うお店が地元民を敵に回す必要があるか?

六花亭」というお菓子メーカーの広告が波紋を呼んでいるという記事。社長の発言が北海道産の小麦を否定していると受け取られていて、農家や生産者からの批判もあるようです。さらに、別の話題として洛心館という和菓子屋さんの取り組みも紹介しており、地元や関係者に配慮する姿勢が大切なのかもしれません。

ウィキペディアで「六花亭」の項を見ると、こんな事が書いてあります。(あそこは油断していると記事内容がすぐ変わるので、とりあえず全文引用しておきます)

同社の新聞広告の中で、小田が北海道産の小麦を否定したと受け取られかねない発言をして波紋を呼んでいる。

問題の広告は2007年5月16日付け北海道新聞夕刊に「社長の思い」と題して掲載されたもので、「今のところ私どものお菓子に道産(北海道産)小麦の出番はない」、「地産地消にこだわりすぎて、製品のおいしさをないがしろにしては本末転倒」と記している。

北海道産の小麦はうどんなどの製麺用の品種が大半で菓子向け品種は少ない。広告によると同社を代表する菓子「マルセイバターサンド」には北米産の小麦が使われているという。

これに対し、北海道で牧場も経営するタレントの田中義剛が5月23日付け北海道新聞夕刊のコラムなどで「どんな食べ物にも作った人の思いがある。それをメディアで否定的に紹介したら、作った人は傷つくだろう」と反論。

生産者の間でもショックを受けた者は少なくないという。

六花亭では「道産小麦や農家を批判している訳ではない」と説明しているが、賛否両論の意見が同社に寄せられているという。

記事中にもあるように、北海道の小麦は麺類用の品種が多いのは間違いないみたいですから、北海道産の小麦を使えないのも確かなようです。

じゃあ六花亭の社長さんの言い分は問題なしなのかというと、田中嘉剛さんのコラムからもう少し件の広告を引用して考えてみます。

納得のいくお菓子をつくろうと思えば、当然、原材料の厳選から始まります。私どもは、それぞれの製品に適した原材料を世界中から探し、使い分けています。

例えば、マルセイバターサンドのビスケットに使う小麦粉は、北米産です。一方どら焼きには九州産小麦。残念ながら、今のところ、私どものお菓子には<道産小麦>の出番はありません。

地産地消にこだわりすぎて、製品のおいしさをないがしろにしては本末転倒だと思うのです。

ダウトです。これでは北海道の農家に対しての配慮がなさ過ぎと批判されてもしょうがないでしょう。予備知識なしに上の引用文を読めば「北海道の小麦は品質が悪いから使えない」と言っているようにしか思えませんから。

上記の文を引っ張ってきた田中嘉剛さんのコラム、花畑牧場通信でも、この広告に対して激昂しています。当然ですが。

花畑牧場通信

上記ページの上から3番目と2番目をお読みください。

北海道イメージを120%活用してお菓子を売っているのに、同じ口で北海道の小麦粉を軽蔑するような事を言う。

というか、北海道産の小麦粉がお菓子に適していないのが事実であっても、わざわざ北海道民相手に大声で言うことじゃないでしょう。

で、この話題自体は5月~6月頭に盛り上がった話題なんですが、何で今さら取り上げるかというと、対比できる出来事があったからです。

2日前に妻と二人で「京都五行」というラーメンとお酒の店に行ってきました。(昼間は普通のラーメン屋なのでそのつもりで行ったら、晩は飲み屋に化けていて、予算が5倍になったのは内緒です)

・ラーメンダイニング「五行」

ビールを飲んで、牛筋煮込みとサラダを食って、締めにラーメンを食べて、さあお会計と思ったら、頼んだ覚えもない和菓子が出てきました。

和菓子の横に添えてある黒文字(爪楊枝のでかいの)には「洛心館」と書いてありました。

「口直しにちょうどいいな」と思って美味しくいただき、会計を済ませて店を出たら、目の前に「京菓子処 洛心館」という看板が。

京菓子処 洛心館

「目の前のお店か!」

五行があるのは京都の街中ですから、和菓子屋さんなら冗談抜きでどこにでもあります。そこで(ホントのところの理由は分かりませんが)わざわざ目の前に構えているお店の和菓子を使うというのは「ご近所さん重視」の意図がないわけがありません。

何しろ、この洛心館って老舗でも何でもなく、去年の秋にできたばかりですし。

地元に媚びる必要はないでしょうが、わざわざ敵に回すのはどう考えても得策ではありません。できるだけ仲良くしたいものです。

※なので私はここ数年ずっと町内会の役員をやってます。京都商工会議所の会員にもなりました。