売り方は画期的でも中身が代わり映えしなかったら…
男前豆腐店の社長が書いた本、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」は、職人気質と営業気質の両方に注力する彼の考え方が詰まった一冊です。商品のレベルを上げるだけでなく、宣伝や広告にも力を入れることの重要性を伝えています。
今さらながら男前豆腐店の社長さんが書いた本を買って
きました。
・風に吹かれて豆腐屋ジョニー(伊藤信吾/講談社)
私が住んでいるのが京都市内で、男前豆腐店の工場も京
都近辺にあります。近くのスーパーでも男前豆腐も風に
吹かれて豆腐屋ジョニーも売ってます。
今までネーミングやデザインの色物テイストが強すぎて
買ったことないんですが、なんか致命的に間違っていた
かもしれません。
上記の本を一気読みしてそう思いました。
たとえばこの本の80ページに次のように書いてあります。
> こないだ、ミネラルウォーターのペットボトルがお洒落
> になってきている、というニュースをやっていました。
> 「おいしいだけじゃダメで、形を変えなきゃダメだ」と
> かいって。
>
> でも、僕は、中身を変えずに形だけ変えてどうするんだ
> って思うんですよね。形以前に中身だろう。
>
> だいたい、「おいしいだけじゃダメ」って自分でいった
> 時点で、味への追求が止まっちゃう。「こんなもんでい
> いか」って。
>
> おいしさを追求していけばキリがないんですよ。僕自身、
> いま現在もジョニーを進化させ続けてるんです。
>
> だから、うちの真似をして、ちょっといい豆腐に奇抜な
> パッケージを組み合わせたとしても、絶対にジョニーに
> は追いつけない。
>
> それぐらいの試行錯誤を、この一年半でやったし、いま
> 現在もやり続けてるんです。
…ちょっとスーパーで「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」
を買ってきました。フランスパンをタテに真っ二つに割
ったような細長く薄っぺらい形です。
※実はこの薄っぺらい形にも理由があります。
食べました。
メチャクチャ濃厚な豆乳の味がします。美味です。
> おいしさを追求していけばキリがないんですよ。僕自身、
> いま現在もジョニーを進化させ続けてるんです。
と言いきるのも伊達ではありません。
職人気質な方は得てして「商品やサービスのレベルを上
げる」事にばかり注力しがちです。より良いものを作れ
ば売れるに決まっていると信じています。
たしかに、一度試してもらって良さを分かってもらえれ
ば、二度三度と買いに来てくれるでしょう。でも、その
前の「一度目」はどうやって試してもらいましょうか。
その逆に営業気質な方はといえば、「売り方や広告を良
くする」事にばかり注力してしまいます。
これが行きすぎると誇大広告(ウソ・大げさ・紛らわし
い)になってしまい、一度買った人が期待と現物のあま
りの落差に落胆すると。
男前豆腐店の伊藤社長は、この本を読む限りでは「職人
気質」も「営業気質」も尋常でないレベルでぶっ飛んで
ます。
こういう人は特殊ですが、それでも意識して「苦手な方」
を伸ばしていくように心掛けるか、「苦手な方」を受け
持ってくれるパートナーを見付けるか。
組織を大きくするなら、さらに「社長気質」というのが
必要なんでしょうが。
◆シンプルすぎる要約◆
「いい商品」だけでも「上手な宣伝」だけでもダメ。
両方に力を注ぎましょう。