自分で集めておいて「ウェブはバカと暇人のもの」と嘆くのか?
アメーバニュースは、まともなニュースから「ニュースかそれは?」と突っ込みたくなるような心底しょーもないニュースまで幅広く取り上げているホームページです。さまざまなニュースに対して自由なコメントを書くことができ、コメント大盛況なニュースも多々あります。現時点での注目ニュースや、編集長が書いた本なども紹介されています。ネットに接する機会が少ない人ほど、一度読んでみる価値があると思います。
アメーバニュースという、まともなニュースからバカニュース、
「そもそもそれはニュースなのか?」レベルのものまで取り上げる
ホームページがあります。
・アメーバニュース
ここには、ニュースの幅が(下に)広い以外にもう一つ特長があり
ます。それぞれのニュースを見た人が、ニュースについてのコメン
トを自由に書く事ができるのです。
で、どんなニュースにコメントが多く付くかというと、「ニュース
かそれは?」と突っ込みたくなるような心底しょーもないニュース
が目立ちます。
現時点(09年6月22日15時)でコメント大盛況になっているニュース
の見出しだけを貼り付けておきます。
> デートを盛り下げる行動1位
> 男性がショックだった彼女の姿
> 女.性に使ってはいけない言葉
> 佐々木希 すっぴんに驚きの声
> つるの 誕生前のわが子を公開
> 「ゲッツ!」の終焉わかってた
> しょこたん、暴露本を絶賛
ついでに注目のニュースも。
> 「2ちゃん」がバレないツール
> 「サザエさん」声優 代役で話題
> 低視聴率ドラマ脚本家交代へ
> 大御所歌手 若すぎる妻と離婚
> Perfume熱愛で完売が続出
> 宮崎あおい、今も電車移動?
> 焼肉小倉優子 独自のサービス
実際に「これのどこがニュースだ」とか「チラシの裏にでも書いて
おけ」みたいなツッコミでコメントが盛り上がっているという、何
だか間違った盛り上がり方をしているニュースも多々あります。
さて、ここの編集長・中川淳一郎さんが書いたのがこの本。
・ウェブはバカと暇人のもの(中川淳一郎/光文社新書)
売れてるみたいです。アマゾンで今見たら、全部の本の中で売上数
が239位ですから。
まだ読んでない方のためにごくシンプルに要約します。
> ネットのヘビーユーザーは「バカと暇人が多い」から、
> ネットで何かしようという企業はそれを前提に企画・運
> 営をしていかないとえらい目に遭うよ。
あまりネットに接する機会がなく、ネットに妙な期待や幻想を持っ
ているような人はぜひとも読んでおくべきだとは思います。
思いますが「何を今さら当たり前の事を」とも思います。上記のよ
うな事を書いた本ならとっくの昔に複数の人が出しているからです。
・Web2.0が殺すもの(宮脇睦/洋泉社)
・2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (ひろゆき/扶桑社新書)
宮脇さんの本は06年9月に、ひろゆきの本は07年6月に出ていますか
ら、ぶっちゃけ「3番煎じ」です。
それからもう一つ、この本のスタンスが気に入らない所があります。
アメーバニュースなどに群がる「バカと暇人」が実にうっとうしく
書かれていますが、肝心のアメーバニュースそのものが「バカと暇
人」をかき集めないと話にならないビジネスモデルになっているの
です。
アメーバニュースに限らず、アメーバブログ(アメブロ)もアクセ
ス数が多いことを売りにしています。たとえば「閲覧者数でギネス
ブックに載ったブログ」とか。
要するに、「うちはアクセス数が多いから、高いお金払って広告出
してね」といって企業に広告枠を売るという商売ですから、人がい
ないと話にならないのです。
そのために「集めやすい人を大量に集めている」のですから、バカ
と暇人が多いと嘆くのは自業自得というか、天に唾する行為という
か、うーん。何て言ったら良いんでしょうか?
◆シンプルすぎる要約◆
自分で「バカと暇人」を集めておいて、ネットのヘビーユーザーに
はバカと暇人が多いと嘆くのは「アホ」です。私はそう思います。