「最高のもの」を組み合わせると「究極」になるのか
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」という紳助さんの本には、成功のヒントが詰まっている。最高の材料を持っているけどうまくいかない人にこそ読んでほしい。
「それ、どう考えてもムチャクチャやろ!」
今日買ってきた本に書いてあるエピソードに思わず突っ込んでしまいました。
・ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する(島田紳助/幻冬社新書)
紳助さんが若い友人に出資してラーメン屋をオープンさせた時のエピソードが載っていました。
その「若い友人」はとんでもなく根性がある気持ちのいい若者だったのですが、ラーメンを作ったことが一度もなかったそうで(ヲイヲイ)。
「お前なら、ちょっと習えばすぐできるようになる」
と紳助さんに言いくるめられた彼は、しかしあっという間にそんな訳ないことを思い知って、紳助さんに泣き付きます。
そんな彼に紳助さんが出した案はというと…
僕はものすごく単純な発想をした。本職の人に聞かれたら、たぶん怒られる。
要するにラーメンとは、麺とスープと具の組み合わせだ。それなら、麺が評判のラーメン屋と、スープが評判のラーメン屋と、具が評判のラーメン屋と、それぞれの店から麺とスープと具を買ってきて、全部足したら究極のラーメンになるんやないか。
彼は僕に言われた通り、有名ラーメン店を回ってそのラーメンの3大要素を集め、全部足して作ってみたのだが――
出来上がったのは、とんでもなく不味いラーメンだった。
この後、気の毒な彼がどうなったかは本を見てください。
25年間で失敗した(=黒字転換できなかった)ビジネスがゼロというバケモノ・島田紳助さんが「なんで本業でもない商売で無敗を誇っているのか?」を書いた本です。メチャクチャ使えます。
…タレントの店が流行るのなんか当たり前だろと思う方。
一時は流行っても後が続かないのがタレントショップですから。続かない理由も上記の本には書いてあります。
・ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する
(島田紳助/幻冬社新書)
ここでは違う話をします。
最高の材料を集めて究極のラーメンを作る話だと「こいつアホかいな」と笑っていられますが、現実に料理とは全然別の分野で同じ失敗をしていながら「何故うまく行かないんだ?」と頭を抱えている人は少なくないんじゃないでしょうか?
チラシのデザインはこのノウハウからいただいて、キャッチコピーはこっちのノウハウを参考にして、チラシを撒く時期はあのノウハウで書いていたとおりに、という風に色んなノウハウのいいとこ取りをして、独自の最強ノウハウを作り上げたはずが、なぜか大失敗。
…覚えはありませんか?
小難しい言い方をすると、
「全体とは、部分の総和以上のなにかである」
ということです。
最高の材料を「どう組み合わせるか?」あるいは「そもそもこの材料を組み合わせても大丈夫か?」というところをきちんと押さえないと、最高の材料同士がお互いの良さを殺し合う事だってありますから。
それ以前に「ホントに最高の材料なのか?」から疑うべきなのかもしれませんし。